人は文章の書き方を知らないという問題
あなたは「好きに文章を書け」と言われて書けるでしょうか?
今回紹介する本では、誰でも文章が書けるためのヒントが多く含まれています。
山口拓朗さん(@yamatakuro)の著書『世界一ラクにスラスラ書ける文章講座』を読んで重要と感じたところを3点お伝えします。
国語教育の課題「起承転結」という一辺倒のテンプレート主義
まずは、日本語の国語教育の問題点についてです。
私達が上手に文章を書けないのは「文章を書く」という事を習わなかったのが大きな原因です。
例えば、漢字や計算は学校で習うのに、いざ文章を書くとなったら「思ったことを書きなさい」というような指導をされます。
これは、編み物が出来ない生徒に対して、編み棒と毛糸を渡し、思ったように編み物をして下さいと言っているようなものです。
それでも、私達が学校で唯一習うライティングのテンプレートがあります。それが「起承転結」です。
起承転結の問題
山口さんは起承転結の問題点を5つあげています。
・従来、漢詩の構成であり、日本語の文章作成に適しているか疑問がある
・「起」「承」「転」「結」の各パートの役割が曖昧
・「転」であえて話を急展開させなければいけない
・「結」まで結論を封印しなければいけない
・情報化社会の中で結論を後回しにするというのは馴染まない
このように、私達が唯一知っているテンプレート「起承転結」は現代の日本社会では合わないということが理解できます。
それでは、どのような方法であれば、より相手に伝わる文章を書けるのでしょうか。
文章を書くためには3つのテンプレートを覚えれば良い
著者の山口さんは伝わる文章を書くには3つのテンプレートを覚えれば足りるとしています。
それが、「列挙型」「結論優先型」「ストーリー型」の3つです。それぞれ見ていきましょう
列挙型
列挙型の書く順番
- 全体像を伝える
- ポイント①
- ポイント②
- ポイント③
- まとめる
列挙型は、ひとつのテーマについて、いくつかのポイントに分けて伝えます。
文章の冒頭で、これから伝えるテーマと、列挙するポイントの数を示します。次にポイントを一つずつ順番に伝えていきます。
大切なことは、全体像でこの先いくつのポイントを挙げるのか、具体的な数を示します。そうすることにより、聞き手の準備が可能になります。
列挙ポイントはまずは簡単に書くことが重要です。
(「1つ目は列挙型です」など)
読む人にとっては列挙ポイント1のほうが列挙ポイント3よりも重要性を高く感じるため、重要なポイントを先に書くことが大切です。
ダラダラ続かないのでわかりやすい!ストレスフリー!
結論優先型
結論型の書く順番
- 結論を伝える
- 理由・根拠
- 具体例
- まとめる
結論型はその名の通り、真っ先に結論を示します。その後、結論に至る理由を伝え、具体例により理解度を高めます。
結論から伝えるため、情報化社会の現代にはうってつけのテンプレートです。
また、先に結論から伝えるため、書き手にとっても思考が整理され、「あれっ、何がいいたんだっけ?」という事になりにくいというメリットもあります。
また、結論は興味を引く内容、理由・根拠では客観的な事実、具体例で情緒に訴える事により、読み手に最後まで読んでもらう確率を高めることが可能です。
ぐんぐん納得度が高まる!
ストーリー型
ストーリー型の書く順番
- マイナスを伝える
- 転機を伝える
- 進化・成長
- 明るい未来
ストーリー型は映画やドラマなどでもよく使われる手法です。
主人公がマイナスからスタートし、転機が訪れ、成長を経て明るい未来がある。非常に共感を呼びやすいテンプレートです。
このテンプレートの大切なところは、落差をつけることです。
マイナスと明るい未来の落差が少ないとストーリーの効果は余り期待できません。
朝、激痛でうなされた。病院に行ったら少しマシになった。これではあまり興味が持てませんよね。
もし、このストーリーに物足りなさを感じたら、もう少し落差をつけられないか、あるいは落差が少ないので、ストーリー型を諦めるということも検討すべきです。
共感できる!
相手に伝えるには1行ライティングが重要
文章は1行に要約することが可能です。
もし、書き手が自分の言いたいことを1行で表現できない場合、自分が伝えたい事柄の「柱」を把握していないということです。
柱を把握していない場合、頭の中時の状態が未整理状態であることを認識することから始め、情報整理を行う必要があります。
情報の整理方法
1.情報を「いる情報」と「いらない情報」に振り分ける
2.「いる情報」に優先順位をつける
3.優先順位の高い情報を使って1行ライティングを書く
まとめ -【要約】世界一ラクにスラスラ書ける文章講座-
今回は山口拓朗さんの世界一ラクにスラスラ書ける文章講座を要約してみました。
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