あなたは自分の意見をはっきり言えますか?相手に合わせてしまって自分の意見を主張するのが苦手という悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。今回はそんな方に向けて「アサーティブコミュニケーション」というコミュニケーションスキルを紹介します。
アサーションとは?
アサーションとは日本語に直すと「主張」などの意味があります。1950年頃にアメリカの心理学者ジョセフ・ウォルピがカウセリングの技法として開発したものです。
近年では在宅勤務やオンラインミーティングの機会が増えたことによりコミュニケーションが取りづらくなっています。自分の意見を主張することが大切になっていきます。もちろん自分の意見を一方的に主張するのではなく、相手の意見を聞くこともアサーションのスキルになります。
次はアサーションの3つのタイプをみていきましょう。
アサーションにおける自己主張3つのタイプ
ジョセフ・ウォルピは自己主張のタイプを3つに分けました。
ノン・アサーティブ
ノン・アサーティブは自己主張が苦手なタイプです。自分よりも相手のことを優先し言いたいことが言えない。結果的に相手の言うことを聞いてしまうタイプです。気持ちの優しい人や気の弱い人がこのタイプになりがちです。主張をしないので周りからは評価されにくくなってしまいます。
アグレッシブ
アグレッシブは攻撃的なタイプです。自分の意見が正しいと思い込み、状況を無視して自分の価値観を押し付け優位になろうとするタイプです。精神的に幼く、反対意見には過剰に反発します。周りから付き合いにく人と思われてしまうでしょう。
アサーティブ
相手の気持ちを配慮し、自分の主張や意見を伝え場の空気を大切にするタイプです。ノン・アサーティブ、アグレッシブのどちらもバランスよく備えています。
アサーション・トレーニング
ここまではアサーションにおける自己主張3タイプを紹介しました。ここからはアサーティブタイプを目指すべく「アサーショントレーニング」の方法を紹介します。
DESC(デスク)法
DESC法とはアサーションを体系的にまとめた方法で下記4つに分類しています。
D(Describe:描写する):事実を客観的に伝える
E(Explain:説明する):自分の意見や感情を表現し伝える
S(Suggest:提案する):相手が望む行動、妥協案を提案する
C(Choose:選択する):提案の実行/不実行による結果を伝える
DESC法の事例
例えばお上司から今日中に資料をくれと指示されたとします。ただあなたは今日は業務も立て込んでおり今日中は現実的に難しそうです。そこで上司への報告に活用するのがDESC法です。
Describe:本日は業務が立て込んでおり、18時以降であれば資料作成に着手できそうです
Explain:18時以降着手ですと、今日中の提出は難しいと思います。
Suggest:明日の午前中であれば提出が可能かと思いますがいかがでしょうか。
Choose:本日中に必要ということであれば業務の優先順位を確認して調整してみます。
このようにまずは事実を伝え→自分の気持ちを伝え→妥協案を提案し→提案に対してYes/Noそれぞれに対して次のどうするかの選択肢を用意しておきます。
I(アイ)メッセージ
「私は」と自分自身を主語にして相手に伝える方法です。「I(私は)」は自分が主語となっていれば良いので、実際に言葉で「私は」は言わなくても大丈夫です。
例えば部下が遅刻をしてきた際に「なんで遅刻をしたんだ」と言うのが(Youメッセージ)です。では、Iメッセージなるとどうなるでしょうか。
「心配になるから、遅くなるときは事前に報告してね」
私を主語にすると、これだけでも大分柔らかい表現になるでしょう。
さいごに
今回はアサーションについて説明をしました。オンライン化が進んだ現代社会だとこうしたアサーションスキルを活用することが大切です。
自分の意見を言うのが苦手な人はすぐに変えられるというわけではないと思います。ただ、こうしたコミュニケーションスキルがあるということを理解し、少しずつチャレンジしてみてくださいね。
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